Column.62
カラフルでレトロかわいい!陶楽工房「タイルアート」体験&「世界のタイル博物館」レポート!【INAXライブミュージアム】
愛知県・常滑市にある「INAXライブミュージアム」は、やきものの魅力を伝える体験・体感型ミュージアム。世界から集まるタイルに触れることができる「世界のタイル博物館」は、まさにタイルの聖地。そんなINAXライブミュージアムの「陶楽工房」で“レトロかわいい”タイルアートを体験! 「タイル」を使用したものづくりは、おうち時間の新しい趣味にもぴったり。ちょっとしたDIYのアイデアも発見できるかも。今、改めて「タイル」の魅力を感じてみませんか?
~INAXライブミュージアム「陶楽工房」でタイルアート体験~
見ているだけでも楽しい、色とりどりの小さくてかわいいタイルを使ったオリジナルの「タイルアート」。
今回は、「陶楽工房」の体験メニュー「タイルの時間」アイテムの中からお部屋のインテリアにも合いそうなフォトフレームのデコレーションを選択。シンプルな木枠とカラフルなタイルからどんなオリジナルデザインを作っていこうか、久々の創作体験に心が躍ります。
完成のイメージを固めたら、紙コップ満杯に好きな色のタイルを選んでいきます。
この「好きな色を選ぶ」工程は、INAXライブミュージアム「陶楽工房」ならでは。あらかじめ決められた色ではなく、およそ30色もの中から好きな色を好きな配分で選ぶことが出来ます。後で使いたい色が足りなくなってしまった…!ということがないように慎重に選びましょう。タイルを選ぶのに使用した使い捨てのビニール手袋は、余ったタイルを持ち帰る際にも利用できます!
試しに少しずつ並べてみることに。並べたときのかわいさがたまりません!
選ぶ色も個性が表れて面白いですね。AICHINOW英語担当のアンは、シックなブルー系のカラーをセレクト。私はパステル調のかわいいカラーをセレクトしました。
★「陶楽工房」オリジナルの〈アートタイル〉で特別感をプラス!
絵や文字が描かれたアートタイルを追加で購入することも可能。動物や花柄、水玉などたくさんの種類からお気に入りの柄を見つけるのも楽しいですね。アクセントになってかわいいですよ。
選んだタイルをボンドで木枠にくっつけ、デコレーションが出来上がっていきます。シンプルな木枠のフレームが、パッと目を引くデザインになりました。丁寧に並べるのも良し、バラバラな配置を楽しむのも良し、作る人それぞれの個性が出るので友達やグループ、親子で一緒に楽しみながら作るのもおススメです。
体験メニュー紹介
「タイルの時間」フォトフレーム作り体験以外にも、INAXライブミュージアム「陶楽工房」ではタイルを使ったアート体験や、お持ち帰り用キットも豊富に用意されています。
※ 体験の際はアルコール消毒やマスクの着用、座席の指定、手袋着用等の感染防止対策にご協力をお願いします。
< 現在開催中の主なクラフト体験(2022年6月現在)>
1.タイルの時間
― フォトフレーム、コースター、マグネット、プチオーナメント、メモクリップから1種類選択
2.タイルのおうち
― 木製のおうちは貯金箱としても使用可能
3.タイルdeリース
― 木製のリース型円盤をタイルで飾りつけ
4.タイル絵付け体験・プチトイレ絵付け体験
― やきもの用の絵の具でタイルやミニチュアトイレに絵付け
全てWeb予約制
体験所要時間は1時間~1時間半
※ 体験スケジュールは公式サイトの予約画面でご確認ください。
その他、<グランツ・モザイク>という上級者向けの体験もあります。タイルアートをもっと楽しみたい!という方はぜひ挑戦してみてくださいね。
グランツ・モザイク
~INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」~
博物館内は、タイルが使われたダイナミックな展示や空間の再現が人気です。(人が少ない時間を狙ってインスタ映えを求めに女性グループが訪れることもあるのだとか。)
タイル研究家・山本正之さんが生涯を通して収集したタイルコレクション約6000点を常滑市に寄贈し、LIXIL (当時のINAX)が常滑市からその管理・研究と一般公開の委託を受けて、1997年に「世界のタイル博物館」が誕生したそうです。常設展示として個性豊かな日本の「古便器」コレクションの展示も行われています。
珍しい題材の「古便器」展示やタイルが世界で使われている様子から、いかにやきものが暮らしを支え、おもてなしの心を表現してきたのかが分かります。
<博物館めぐりの厳選!チェックポイント>
数ある展示の中で、何に注目してよいかわからない…という方に、タイルをより深く知ることができるチェックポイントを絞ってご紹介します。展示を見る際の参考にしてくださいね。
1.世界最古のタイル
「タイル」の起源は、約4700年前に古代エジプトのピラミッドに使われていたのが世界最古といわれています。王様のお墓へ続く地下通廊の壁に色鮮やかな装飾をし、王の復活を願ったと言われています。INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」では、1階で空間を再現し、2階で実物のタイルを展示。紀元前という遥か昔に作られたものが形を変えずに今も残っている、やきもののすごさを感じます。
▼左:ピラミッド地下空間の再現 右:最古のタイルの実物展示
2.タイル張りのドーム天井
イランの叙情詩人サーディーの霊廟を再現したタイル張りのドーム。ドームの天窓からは太陽の光が入り、日が昇っておちていく様子を100秒で再現した光の演出も加わっています。撮影スポットとしても大変人気なタイル建築空間です。イスラームでは、幾何学模様で神の神秘性を表現しており、現地ではなんと一つ一つ手作りで作られているカットワークモザイクの様子を映像で見ることができます。
3.タイルの裏側
ちょっとマニアックだけれど、タイルの作り手のこだわりがわかる展示も。普段は見ることのない「タイルの裏側」には20世紀イギリスを代表するタイルメーカー各社異なるデザインが施されており、こだわりが垣間見えます。こんなタイルの楽しみ方もあるんだ、と気づくことができる展示です。ぜひ間近でご覧ください。
他にも、フォトフレーム制作で使用したモザイクタイルを使って日本の四季を表現した壁画など、空間を楽しめる展示がたくさんありますよ。
~お土産コーナーもお忘れなく~
博物館併設のショップでは、タイルアートや光るどろだんごづくりの作成キットや、常滑焼の急須・器、タイルをモチーフにした雑貨、アクセサリーなどが販売されています。
中でも話題を呼んでいるのが、「トイレの最中」。こちらは毎日完売が続く人気商品。トイレの便器の形を見事に再現した最中の皮とあんこのお菓子です。INAXライブミュージアムを運営するLIXILの榎戸工場が常滑の老舗和菓子店 大蔵餅とコラボして、最中皮の設計から手掛け、1年間ほどかけて開発されました。パーツを2つに分け、上部は開閉する座面の作りなど、まさに職人技です。
やきもののまち・常滑でゆったりとタイルの楽しさに浸れる、そんな1日を送ってみてはいかがですか。
▲「窯のある広場・資料館」
高い煙突と、大きな窯を内部に抱く黒壁の土管工場は、常滑のやきものの歴史を物語るシンボルの一つ。
2019年10月に、3年に及ぶ保全工事を経て窯のある広場・資料館がリニューアルしました。この窯と建物、煙突の工事は、約100年前の姿を更に50年、100年先の後世まで伝えられるものとすることを目指した一大プロジェクト。
外壁の仕上げや瓦の風合いにもこだわった外観、煉瓦造の大きな窯の迫力や太い木材が露出した梁や柱など当時の仕事場をそのままに再現。当時の窯焚き作業の様子を臨場感いっぱいに再現したプロジェクションマッピングなど新たな仕掛けも見どころです!
見学・入館の手続きは、「窯のある広場・資料館」総合受付へ
▲「土・どろんこ館」
「土・どろんこ館」では、やきもの用粘土をつかった「光るどろだんごづくり」の体験教室や企画展を開催しています。やきものの土を光るほどに磨いて作る光るどろだんごづくりは大人気です。季節ごとに変わる化粧どろの中から自分で選んだ色を付けて世界に一つだけのオリジナルどろだんごをつくることができます。
▲「建築陶器のはじまり館」
大正から昭和初期、新しい時代の建物は、「建築陶器」と呼ばれる、やきもの製のタイルとテラコッタで飾られました。明治時代につくられた初期の作品から、1930年前後の全盛期に至る、日本を代表するテラコッタ・コレクションを展示し、華やかな一時代の姿を伝えます。
館内では、帝国ホテル旧本館柱型の実物を中心に、明治時代につくられた初期のテラコッタから、関東大震災を経て1930年代の全盛期に至る、日本を代表するテラコッタ建築とその時代背景を、実物のテラコッタやパネルで紹介しています。
フォトギャラリー
Spot Overview
INAXライブミュージアム常滑市
私たちの生活に欠かすことのできない水まわり製品のメーカーとして、国内のみならず海外でもその名を広く知られるLIXIL。やきものの街・常滑で培ってきたものづくりの技術を体験できる、見どころ盛りだくさんのミュージアムです。敷地内には6つの館があり、「発見と継承」をキーワードに、土とやきものが織りなす多様な世界を体感できるようになっています。
※ 体験教室は完全予約制とし、メニュー・時間等を変更して開催いたします。
※ その他、詳細は公式サイトをご確認ください。>>INAXライブミュージアム お知らせ一覧