半田~碧南 醸造文化の里で醸しグルメを堪能

Column.15

半田~碧南 醸造文化の里で醸しグルメを堪能

味噌、醤油、酒、みりん、酢・・・。愛知県は醸造文化が古くから発展してきた土地。知多と三河にまたがる半田から碧南を巡り、新進グルメから復刻の一品、納得の一本まで、“醸す”グルメの魅力と奥深さに舌鼓。

- コース内容 -

愛知の食文化の基礎となる 知多~三河の醸造文化にふれる

味噌、醤油、酒、みりん、酢。独自の発展を遂げてきた愛知県の食文化、その基礎となってきたのが醸造食品です。特に知多湾をはさんで東西に位置する三河の碧南市、知多の半田市は海運の利もあったことから多くの醸造元が集積してきました。早くから江戸など全国各地へ販路を求め、同時に伝統的製法を守りつつも新たな可能性に挑戦してきた意欲ある蔵元が存在感を発揮しているのも特徴です。
半田市はこの“醸す”グルメを近年積極的に売り出しています。「はんだ 醸すごはん」と銘打って市内の飲食店が創作料理を開発したり、「いいかも!半田コレクション」としてお菓子や調味料などのおみやげ商品をPRしたり。
そんな数々の醸すグルメを選べる中で、醸造文化の伝統が生み出し近年復刻された珍しい一品に注目。尾州早すしです。シャリが50gと現在の寿司のゆうに2倍はあるビッグサイズが特徴的です。

START!!

①山田家ベル

山田家ベル

尾州早すしは現在の握りずしの原型ともいうべきすし。きっかけは江戸時代、中埜家(現・ミツカン)が粕酢の量産化に成功したこと。この粕酢が半田港から江戸へ出荷され、なれずしよりも手早くできる握りずしが作られて広まりました。今のように小ぶりになったのは戦後のことといわれ、当初はこの早すしのようなおにぎりのようなサイズが一般的だったとのことです。マグロ、こはだ、エビ、アナゴ、イカめしの5種6貫。むしゃむしゃとほおばると粕酢のほんのり甘い風味がネタの味わいとともに広がります。

<メニュー>
尾州早すし2160円。2日前までに要予約

<店舗情報>
住所:半田市稲穂町1-49-2
TEL:0569-28-2126
営業時間:11:00~14:00 17:00~21:30
定休日:月・第3火休
座席:250席
駐車場:80台

- 和菓子、酒、酢など おみやげも“醸す”名品を -

おみやげもやはり“醸す”名品をチョイスしたいもの。日本酒、味噌、酢はお菓子の香りづけや隠し味として効果を発揮し、市内の菓子店ではこれらを使ったオリジナルスイーツが少なくありません。
酒や酢では愛知県を代表する醸造元があり、川沿いに黒い板塀の蔵が並ぶ様は半田ならではの風景として風情があります。充実した見学施設もあるので、モノづくり文化への理解を深めると、味わいにも深みがもたらされるのではないでしょうか。

②松華堂菓子舗

伝統ある老舗が多い半田は茶道も盛ん。茶席にふさわしい上生菓子を提供する名店がここ。一方で庶民向けの手土産菓子も数多く手がけ、町の和菓子屋さんとしても親しまれています。溜ロールは生地に溜りを加え、独特の深いコクを感じられるユニークな和洋折衷菓子です。

<商品情報>
溜ロール650円

<店舗情報>
住所:半田市御幸町103
TEL:0569-21-0046
営業時間:8:30~17:30
定休日:水・第3火休

松華堂菓子舗

③リヴェール二ツ坂

リヴェール二ツ坂

酒蔵景気は20年以上前からのロングセラー。このケーキのためだけに作られた国盛の吟醸酒をスポンジケーキにたっぷり含ませてあり、しっとりした口どけの後で芳醇な吟醸香がふわりと立ち上ります。

<商品情報>
酒蔵景気1個1300円。木箱入り2100円。店内でイートインもできる

<店舗情報>
住所:半田市北二ツ坂2-15-13
TEL:0569-26-6161
営業時間:9:30~19:30
定休日:水休(祝日の場合営業)

④酒の文化館

銘酒「国盛」で知られる中埜酒造のミュージアム。昭和40年代まで使われていた酒蔵をそのまま活かした館内には当時の道具や資料の数々を展示。巨大な大桶は一升瓶3000本分を仕込んでいたもの。「毎日1合飲んで82年分」と解説も分かりやすく興味をそそられます。文化館限定のオリジナル吟醸酒など、ここで飲みたくなるのをぐっと抑えてお土産に買って帰りましょう。

<商品情報>
「オリジナル黒松純米吟醸」4合瓶1591円、「純米大吟醸中埜」4合瓶3255円、「酒蔵のあまざけ」432円

<施設情報>
住所:半田市東本町2-24
TEL:0569-23-1499
営業時間:10:00~16:00
定休日:木休(祝日の場合は開館、翌日休)、お盆、年末年始
駐車場:10台

酒の文化館

- 知る人ぞ知る白醤油の産地 碧南の“醸し”系焼きそば -

へきそば

西三河で生まれた地域特有の醸造製品、白醤油。碧南市はその全国生産の5割を占めています。色は淡いのですがしょっぱさと甘みがあり、具材の色合いを活かしながら味はしっかり付くのが特徴です。愛知県内のうどん店では溜り醤油の濃い色と風味が特徴の“赤”つゆと、さっぱりした“白”つゆを使い分ける店が多く、この白つゆのベースとなるのが白醤油なのです。
これを味つけに使うご当地B級グルメとして近年売り出し中なのがへきなん焼きそば。市民グループがイベントの屋台で出すものや、市内の飲食店約13軒が参加して創作する店舗オリジナルメニューが個性を競い合っています。
知る人ぞ知る愛知の醸造文化を活かした町おこし焼きそば。本場・碧南市で食べ比べたり、へきなん焼きそば専用ソースを購入してみてはいかがでしょう。

※瓦を使ったユニークなへきなん焼きそばも。

⑤カフェ&和風レストランさくら

へきなん焼きそばは、白醤油を味つけの基本として使うほか、地域の特産品のニンジン、玉ねぎを具として使うのがルール。この店ではゴマ油、ニンニク、バターを合わせ、上品かつ味に奥行きがあります。

<メニュー>
へきなん焼きそば 700円

<店舗情報>
住所:碧南市鶴見町1-70-1
TEL:0566-48-0488
営業時間:9:00~21:00
定休日:月休(祝日の場合は営業、翌休)
座席:60席
駐車場:309台(芸術文化ホール共用)

カフェ&和風レストランさくら

GOAL!!

大竹 敏之

取材【ライター 大竹 敏之】
<プロフィール>

名古屋メシと中日ドラゴンズをこよなく愛する名古屋在住のフリーライター。雑誌、新聞、Webなどに名古屋情報を発信。著書は『名古屋の商店街』『名古屋めし』『名古屋の喫茶店』『名古屋の居酒屋』など。コンクリート仏師、浅野祥雲の“日本唯一の研究家”として作品の修復活動にも取り組んでいる。